最近、テレビのコマーシャルや新聞広告で『ジェネリック医薬品』という言葉を耳にすることが多くなりました。
ジェネリック医薬品って、どんな薬なのでしょう?
今回はそんな疑問にお答えします。
病院から処方される薬には、同じ成分でも様々な製薬会社から、沢山の種類が販売されています。薬は発売された時期によって、
(1)「先発品」と呼ばれる、最初に開発された薬
(2)後から「先発品」をまねて作られた、「後発品」と呼ばれる薬
の2つに分けられます。この(2)の「後発品」を“ジェネリック医薬品”と呼びます。
「先発品」は研究・開発に膨大な費用がかかるため、一定期間は開発したメーカーの優先権が認められ、独占的に製造・販売できることになっています。しかしその期間が過ぎると、他のメーカーも「先発品」と同じ成分の薬を作って販売できるようになります。こうして作られる「後発品」=“ジェネリック医薬品”は開発費用が安く済む分、「先発品」と同じ成分・同じ効き目でありながら、その価格は平均すると「先発品」の約半分ほどになっています。
「先発品」と違って開発費が少なくて済むため、“ジェネリック医薬品”の薬価(国の定める医薬品の公定価格)は、「先発品」の約2~7割という低い価格になっています。その分、患者様のお薬代は「先発品」をもらう場合よりも安くなります。
「先発品」を“ジェネリック医薬品”に替えた場合、どのくらいお薬代が違うか、以下に例を挙げてみました。
★ たとえば高脂血症薬・プラバスタチンナトリウム(成分名)を一般的な服用方法(1日10mg)で服用した場合、約1ヵ月間の薬の薬価を比較してみると・・・
(先 発 品)
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⇔ |
(ジェネリック医薬)
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A錠10mg
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a´錠10mg
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4,365円/月 | ⇔ | 2,367円/月 |
★ 3割負担で約1ヵ月間服用した場合、薬局窓口で負担する費用は、およそ620円安くなります。
★ 3割負担で約1年間服用した場合、薬局窓口で負担する費用はおよそ8,060円安くなる計算です。
お医者さんから処方される「先発品」の全てに、「後発品」=“ジェネリック医薬品”があるわけではありません。その一方で、同じ成分でも複数の医薬品メーカーから“ジェネリック医薬品”が発売されている場合もあります。まずはお医者さんや薬剤師に相談してみましょう。
また、処方せんに『後発医薬品への変更可』と書かれていたり、薬の名前がその成分名で書かれていれば、薬剤師と相談して“ジェネリック医薬品”を出してもらうことが出来ます。
●個人の薬代負担が軽くなると、国の医療費全体の節約につながります。
このため厚生労働省は“ジェネリック医薬品”の使用を推進しています。
●諸外国、アメリカやヨーロッパの国々では、“ジェネリック医薬品”は、病院から処方される医薬品の50%以上を占めています。
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(参考資料)
ジェネリック医薬品ハンドブック(共和薬品工業株式会社)
みるみるわかるジェネリック医薬品(沢井製薬)