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薬の評価

安全で有効な薬物療法を

地域医療の最前線で、薬の評価、医薬品情報活動(DI活動)を行っています。
 
 DI活動は、調剤や在宅訪問活動などの日常業務の中で、薬の適正使用という薬剤師の役割を果たすための基礎となる業務です。私たちは、地域の医療機関と連携してこの活動に取り組んでいます。
 

■新薬調査・・・地域医療連携の中で、医師と協力して。

   今、新薬はめまぐるしい勢いで臨床の現場に登場してきます。それらの薬の安全性や有効性については,必ずしも十分な検討がされつくしているとは思えません。
 検討が必要になった新薬については、文献で同効薬との比較を中心に調査します。有用性があると判断された場合は、実際に使用した患者さんの症例を調査して、安全性や有効性を確かめるようにしています。結果を処方医・医療機関にフィードバックして治療に役立てています。 
 

■副作用の追跡・・・同じ副作用を起こさないように

   薬が変更された時、「どうして変更されたのですか」と、うかがうと「前の薬で調子が悪くなってねえ」という例があります。また、前回から開始された薬の効き目をうかがったときに、副作用のような訴えを聞くこともあります。
 
 そういう時、そのままにせずに、ノートに記録しておきます。そして、後から医療機関に問い合わせてカルテなどを提供してもらいます。また、製薬会社に依頼して同じような症例がないか調査します。
 
 所定の用紙に記入して、月に1回、東医研の全薬局からDI担当者が集まって検討会を行い、副作用の可能性がある場合は、東京民医連のDI委員会に報告します。重篤なものや添付文書にないものは、厚生労働省にも報告します。 
 

■薬事委員会と薬剤評価会議・・・地域の医師と協力して、薬の適正使用を

   新薬の調査や評価、副作用症例の報告と検討、その他薬に関わる様々な検討を月に1回、薬事委員会で行っています。薬事委員会は薬の適正使用をめざしている医師、薬剤師などで構成しています。薬事委員会は、薬に関わる地域の医療ネットワークです。
 
 薬剤評価会議を行っています。医師、看護師、その他の医療従事者も一緒に、薬の使い方について学習や検討を行います。
 これまでの薬剤評価会議の内容を紹介します。
 

■薬物血中濃度モニタリング・・・処方設計に参加

   ジゴキシンやテオフィリンなどを服用している患者さんでは、薬がどのくらい血液中に入っているかを測定することで、より安全で有効な薬用量を設定できます。また、きちんと服薬できているかどうかもチェックできます。
 
 処方医から依頼されて、検査で出た値をもとに、今の量が適切かどうかの計算をして、返しています。腎機能・肝機能が落ちている場合や、併用している薬によっては薬用量の調整が必要です。
 
 万が一、測定値が中毒域になった場合は、適正な薬用量を設定するとともに、服薬中止期間をどのくらいにしたら良いかもアドバイスします。
 
 血中濃度の側面から、治療にかかわっていく重要な業務です。全薬局に担当者を置いて2ヶ月に1回、各薬局での症例の検討をしています。