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逆流性食道炎

逆流性食道炎とは?

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   逆流性食道炎とは、胃液が食道に逆流して、食道の壁に炎症を起こす病気です。
 胃液の主成分は塩酸という強い酸で、胃液の逆流が起こると、食道の粘膜が傷つけられてしまいます。 
 命にかかわる病気ではありませんが、胸焼け・痛み、胃液が喉まで上がってきて酸っぱい味を感じる、など不快な症状に悩まされます。

逆流性食道炎はなぜ起こるの?

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   食道が胃につながる4-5cmの部分は、胃液が食道に逆流するのを防ぐために、開いたり閉じたりして「弁」の役割をしています。この「弁」が何らかの原因によってうまく働かなくなると、胃液が逆流し、食道の粘膜が胃酸の強い刺激を受けます。
 その結果、粘膜に炎症が生じて、ただれた状態(逆流性食道炎)になります。

逆流性食道炎の症状は?

   最も訴えの多い症状は胸焼けです。ほぼ毎食後に起こるのが特徴です。また、胃液がのどや口にこみ上げてきて、酸っぱい感じがすることも多くあります。さらに食べ物や飲み物を飲み込んだときに、のどや胸に引っかかってつかえるような感じがしたり、食事をした後に締め付けられるような強い胸の痛みが起こることもあります。頑固な咳が続く場合もあります。  

逆流性食道炎になったら…

   診断には、食道内視鏡検査が必要です。自己判断せず、必ず医師の診察を受けましょう。 お薬で症状を改善させるとともに、生活上の注意点を守っていくことが大切です。
~胃酸の逆流を防ぐための生活の注意点~

 
食事
 
 ●食べ過ぎに注意しましょう。腹八分目が目安です。
 ●脂肪の多い食物は控えめにしましょう。
 ●アルコール、コーヒー、タバコなどは控えましょう。
 
日常生活
 
 ●ベルト、ガードルなど、おなかを締め付けるものは避けましょう。
 ●肥満や便秘を解消するようにしましょう。
 ●前かがみの作業はできるだけやめましょう。
 ●食べてすぐに横にならないようにしましょう。
 ●上半身をやや高めにして寝ると、胃酸の逆流を防ぐのに効果的です。
~薬による治療~ 


 逆流性食道炎の薬物治療は、症状を和らげることが主で、完治させるのに時間がかかります。そのため、症状が改善された後もしばらくは薬を飲み続ける必要があります。
 原因となる胃酸の分泌を抑える薬をはじめ、胃粘膜を保護する、胃酸を中和するなどの薬を服用します。


◆ 胃酸の分泌を抑える薬:オメプラール・タケプロン・カイロック・ファモチジンなど
 逆流性食道炎の直接の原因は胃酸です。薬によって胃酸の分泌される量を抑え、食道への逆流を少なくします。
◆ 食道の粘膜を保護する薬: アルロイドGなど
 食道粘膜が荒れてできた傷口を胃酸から守ります。速効性はありますが、効き目はあまり長続きしません。
◆ 胃酸を中和する薬: ディクアノンS・マーロックスなど
 胃酸を中和して、酸の働きを弱めます。ただし、いったん中和しても胃酸は次々と分泌されるので、効果が続くのは比較的短時間です。

市販の胃薬で代用せずに、処方されたお薬を飲み続けることが大切です! 

<参考文献>
 ポケット医薬品集、胸やけお助けガイドブック、ヒューマンヘルスケシリーズ逆食、むねやけ逆流性食道炎(HP)